2008年3月20日 (木)

さようならココログフリー ~ blog.motoyuki.net に移転しました ~

前の記事にて予告したとおり、ココログフリーから独自ドメインの blog.motoyuki.net に移転しました。こちらの記事はそのまま移転先にコピーしました。リンクやブックマークの際には、http://blog.motoyuki.net/ のほうを指定してください。

特別な事情がない限り、こちらでの記事更新はこれを最後とします。ココログフリーでは1年以上更新しないブログは削除するといきなり規約変更されてしまったため、1年経ったらここも削除されてしまうと思います。記事やコメントはすべて移転先にコピーしましたが、ここ(ココログフリー)に残す必要性が高いようなら、また1年後に対応を考えたいと思います。

一応後学のために、ココログフリーから移転する主な理由をあらためて述べますと、1年以上更新しないブログは削除するという規約変更に加えて、この記事にも表示されている自動挿入広告についての不満がありました。

ココログフリーではGoogle AdSense(グーグル アドセンス)と呼ばれる自動挿入広告の仕組みを導入しており、それを改変、削除することは、ココログ(フリー)利用規約によって禁止されています。しかしながら、関連法規に反するような劣悪な広告がしばしば表示されてしまい、ココログ(ニフティ)もGoogleもそうした広告の削除要請に応じてくれないという実態があります。最近では、記事の末尾だけでなく、GoogleやYahoo!などの検索サービスからアクセスすると、記事タイトルの直下にも自動挿入広告が表示されるようになりました。その変更について利用者には何の通知もありませんでした。

また、ココログフリーへの不満とは別の話として、もともと独自ドメイン(motoyuki.net)を保有していたので、そちらで運用したいという希望もありました。

ただし、独自ドメインマッピングが可能な有料のココログ(広告無し)への移行も考えましたが、ココログフリーから有料コースに変更することはできないとのことです。また、有料のココログは無料のココログフリーよりもむしろシステムトラブルが多いことで有名で、ニフティの社長が謝罪していたこともあります。

移行にかかる手間も同じなら、ココログ以外のサービスにしようと思い、いろいろ検討した結果、OCN(NTTコミュニケーションズ)の「ブログ人(Blogzine)」の有料コースへ移行し、独自ドメインマッピングを施すこととしました。

移転先で今後書く予定のネタを参考までに以下。書かない可能性もありますが(笑)、今後ともよろしく。

  • 「障害」は本当に「障碍」「障礙」の当て字なのか?
  • MySQL 6.0.4 の Unicode 4バイト対応の対応度
  • Windows Vista の Unicode 私用領域が荒らされている件について
  • リンク先を別ウィンドウで開く指定は本当にWebアクセシビリティ指針に反するのか?
  • Google AdSense だけではない、自動挿入広告のいかがわしさ
  • 結婚しました・・・って書きたいな(笑)

最後に、ココログフリーさん、お世話になりました。さようなら。

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2008年3月 6日 (木)

ココログフリーの自動挿入広告に対して注意書きを自動挿入するスクリプト Ver. 2

ココログフリーではいつの間にか、GoogleやYahoo!などの検索結果からアクセスすると、冒頭の記事タイトルの直下にも自動挿入広告(Sponsored Link)が表示されるようになっていた。これにひとまず対応すべく、記事タイトルと広告の間にも注意書きを自動挿入するようにスクリプトを変更した。なお、他にもココログフリーには私にとって不都合な点が発生したため、他のブログサービスへの移転を検討中である(後述)。

そもそものスクリプトを作成した経緯は、「ココログフリーの自動挿入広告 (Google AdSense) の下に注意書きを自動挿入するスクリプト」を参照されたい。かいつまんで話すと、ココログフリーの自動挿入広告は、Google AdSense(グーグル アドセンス)と呼ばれる仕組みを導入しており、それを改変、削除することは、ココログ(フリー)利用規約によって禁止されている。しかしながら、関連法規に反するような劣悪な広告がしばしば表示されてしまい、ココログ(ニフティ)もGoogleもそうした広告の削除要請に応じてくれないという実態がある。そこで、利用者にできるとりあえずの対策として、注意書きを自動挿入するスクリプトを作成した、という次第である。この時点では、最初の記事の末尾にのみ広告が挿入されていた(だからまあいいかとも思える水準だった)。

ところが最近になって、記事の末尾だけでなく、GoogleやYahoo!などの検索サービスからアクセスすると、冒頭の記事タイトルの直下にも自動挿入広告が表示されるようになっていた。takoさんという方のブログ記事「*second message*: ココログ:フリー版の広告(Sponsored Link)表示がいつの間にか増えている件」を読んで知った。どうやら遅くとも今年1月にはそうした変更が施されていたようで、利用者には何の通知もなかった。ブログ作者は一般に、検索サービスではなくブックマークやブログ管理画面などから自身のブログにアクセスするだろうから、ずっと知らないままの人も多いと思う。

繰り返すが、ココログ(ニフティ)からは何の通知もなかった。だから私も知らなかった。試しに「小川創生」でGoogle検索した結果からこのブログにアクセスして、事実確認した。

こうした事態に対して、とりあえずの対策を再び施すことにした。手法はこれまでと基本的には同じで、ココログのメモリスト機能を使って、以下のようなスクリプト (JavaScript) を右側のサイドバーに埋め込んだ (画面には表示されない)。

<script type="text/javascript">
<!--

var message = '<div style="border: 1px solid gray;"><span style="font-weight:bold;">(ブログ作者からのご注意)</span><br><span style="color:black;">このブログに表示されている広告 (Sponsored Link) は、ブログ作者の意思に関わらず自動的に挿入されています。ブログサービス (ココログフリー) の利用契約上、ブログ作者は、サービスを無料で利用できる代わりに、これらの広告を改変、削除できません。関連法規やモラルを順守していない広告が表示されている可能性がありますので、ご注意ください。</span></div>';

function getFirstElementByClass(searchClass, rootElement, tagName) {
    if (searchClass == null) {
        return;
    }
    if (rootElement == null) {
        rootElement = document;
    }
    if (tagName == null) {
        tagName = "*";
    }
    var allElements = rootElement.getElementsByTagName(tagName);
    var returnElement = null;
    for (i = 0; i < allElements.length; i++) {
        if (allElements[i].className == searchClass) {
            returnElement = allElements[i];
            break;
        }
    }
    return returnElement;
}

function addMessage(element, message, valign) {
    if (element == null || message == null) {
        return;
    }
    if (valign == "top") {
        element.innerHTML = message + element.innerHTML;
    } else {
        element.innerHTML = element.innerHTML + message;
    }
}

function onLoadListener(e) {
    if (document.referrer) {
        var refSplit = document.referrer.split('?');
        if (AAFS.prototype.engines[refSplit[0]]) {
            addMessage(getFirstElementByClass("entry-body-top", document, "div"), message);
        }
    }
    addMessage(getFirstElementByClass("entry-body-bottom", document, "div"), message);
}

if (window.addEventListener) {
    window.addEventListener("load", onLoadListener, false);
} else if (window.attachEvent) {
    window.attachEvent("onload", onLoadListener);
}

// -->
</script>

具体的な変更点は、リンク元(document.referrer)のURLに検索サービスの文字列が含まれている場合に、冒頭の記事タイトルの下に注意書きを挿入するようにしたところである。その判定には、ココログ側のスクリプトの変数(AAFS.prototype.engines)を参照した。その他、注意書きの外枠や色などを若干変更した。

さて、ココログフリーについては、つい先日、1年以上更新しないブログは削除するとの通知があった。1年くらい間隔が開いてしまうことは普通にあり得る。単なるサボりだけではなく、病気、事故、仕事上の都合、その他いくらでも理由は考えられる(私にもあり得る)。そして、ブログ作者の死後もしかり。私なんかよりもずっと質・量の充実したブログでも、1年更新しなかったら削除されるようだ。

自動挿入広告の件といい、1年で削除といい、目先の収入拡大や管理コスト削減に汲々(きゅうきゅう)としているのだろうか。通知もなく(しばしば関連法規に反するような)広告を記事タイトル直下に追加したり、後出しで削除規定を持ち出したり。我慢の限界を超えてしまったので、有料でもいいから他のブログサービスへの移転を検討しているところである。

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2008年2月15日 (金)

JAROに問い合わせてみて分かったこと

JARO(社団法人日本広告審査機構)と聞いて思い浮かべるのは、やはり、厳格なイメージであろう。どこかで広告を監視し、不適切な広告を見つけたら警告し、場合によっては当局に通報する、そんなパブリックイメージがあると思う。

しかし、JAROのWebページをよく読んでみると、そのイメージとはいささか異なることに気づく。「JAROとは」には、「消費者からの苦情や問い合わせをもとに、JAROは公平なスタンスで広告を審査し、問題のある場合は広告主へ広告の改善を促しています。」と書かれている。苦情や問い合わせがないと動かないの?広告主へ広告の改善を促すだけで終わりなの?

以前から気になっていた広告について、昨年(2007年)7月、試しに電話で問い合わせてみた。いつかブログに書こうと思いつつ放置していた会話記録のメモを、以下記す。(電話終了後にメモしたため、実際の会話とは若干表現が異なっている。)

JARO「はい、ジャロです。(ゆっくりした口調の低い声。40~50歳代の男性か。「ジャロ」というより「ジヤロ」という感じの発音。その声でその発音は少々ビビったが、もちろんご本人には何も非はない。)」

私「インターネット上の記事広告について問い合わせたくてお電話したのですが」

JARO「はい、どのような商品の広告ですか?」

私「健康食品の広告です。」

JARO「どちらのページですか?」

私「日経BPの『闘う男の健康食品講座』というページです。」

JARO「URL をおっしゃっていただきますか?」

私「エイチティティピーコロンスラッシュスラッシュ、(中略)、さぷる、エスユーピーピーエルイー・・・あ、サンプルではなく、さぷるです、エスユーピーピーエルイー。最後にスラッシュ、です。」

JARO「はい。・・・あ、出ましたね・・・。(独り言っぽく)これは記事広告なのかな?・・・」

私「連載記事になってますけど、その一つ一つが、健康食品の効果・効能をあれこれ書いてまして、3、4ページあって、その最後にサントリーの販売サイトへのリンクを張っている、そういう形態になってます。」

JARO「たとえば第23回『脳のアンチエイジング成分を求めて・・・』を見てみましょうか・・・」

私「はい」

JARO「・・・ああ、この、セサミンとか・・・ゴマペプ茶とかのリンクですね。」

私「はい、そうですそうです」

JARO「これは確かに・・・この場合ですと、健康増進法という法律がありまして、記事から販売ページへのリンクがあると、広告と見なされることになります。ですので、リンクを削除するといった対応が必要となります。」

私「なるほど、はい。(健康増進法よりも薬事法のほうが優先度が高いのでは?とは思いつつ、広告リンクについての注意点はご存じだったようで一応安堵)」

JARO「JAROから先方に、そのような問題があるということはお伝えします。そうした問題があるということを知らずにやっている場合も考えられますし、そうした場合には対応してくれると思います。」

私「ぜひお願いします。」

JARO「ただ、23回も連載していますし、(法的な問題があることを) 知っていて (意図的に) やっているということも考えられますので・・・。」

私「はい・・・ (まあ、実際そうなんだけど。これについては後述)」

JARO「そうなると、保健所にお問い合わせいただいた方が確実かもしれませんねえ。」

私「保健所、ですか?」

JARO「はい、健康増進法については、保健所が管轄しているんですよ。」

私「(東京都の関係当局のほうが話が早いのでは?と、この時点では思っていた。後で知ったのだが、保健所も都道府県や政令指定都市の所轄である。) ああ、そうなんですか、なるほど。」

JARO「それから、JAROはあくまで自主的に広告業界が襟を正す組織ですので、問題を先方に伝えるということはしますが、それ以上のことはいたしかねるということはご理解いただきたいのですが。

私「なるほど、それは理解しています (もとよりそれは理解していた)。・・・ただ、たしか日経BPってJAROの会員企業ですよね?」

JARO「ええ、たしかそのはずですし、こちらからの連絡を受け付ける窓口はあるはずですが、それ以上のことは、ということで・・・」

私「なるほど。」

JARO「もう金曜の午後ですので、来週の早々にでも先方に連絡します。その上で、ホームページの更新の手間もあるでしょうから、2週間ほど経ってから確認してみて、それでも修正されないようなら、保健所のほうに連絡していただけませんでしょうか?」

私「そちら (JARO) のほうから保健所には連絡していただけないのでしょうか?」

JARO「ええ、私ども (JARO) からは、行政当局などに連絡するというようなことは基本的に行っておりません。先ほど申しましたように、自主的に改善していくという趣旨の組織ですので・・・」

私「なるほど、そうしますと、私としては、先ほどおっしゃったように、2週間ほど様子を見て、修正されていないようなら、保健所のような関係当局に連絡すると良いということですね?」

JARO「はい、そのようにお願いします。(締めくくりとして、しっかりした口調で) 情報の提供、ありがとうございました。」

私「いえいえ。ではよろしくお願いします。」

この件については、すでに昨年の2月に、まず日経BP自身、次に東京都福祉保健局健康安全室へ、実名のメールで伝えていた。日経BPからは無反応であった。メールの直後に私のサイトへ日経BPとサントリーからアクセスしてきた記録はあるので、読んだ上で無視したことが伺える。やはり一個人ではなかなか相手にされない。東京都福祉保健局健康安全室からは、薬事監視課に情報提供を行ったとの返事を頂いたが、その後当該サイトに変化はなかった。東京都の当局や保健所もいろいろ忙しい(たとえば昨今の中国製ギョーザ問題とか)だろうし、他の違法なあれやこれやに比べれば当該広告の違法性は軽微なほうだろうから、そこまで手が回らないだろうことは想像がつく。なので、東京都の当局について悪くは思っていない。

なお、JAROへの電話連絡の直後、当該の連載サイトは最終回を迎えていた。しかし、過去の記事が修正されているわけではないし、最終回の記事の最後には相変わらずサントリーの広告リンクを掲載している。JAROへの電話問い合わせはブログのネタにしかならず、無駄だったようだ。

JAROの趣旨と、世間一般のイメージとの乖離(かいり)は、もっと認識されるべきだろう。残念ながら、JAROの会員企業にさえさしたる指導力を発揮できない、そういう民間の広告自主規制機関である。広告の苦情や問い合わせの窓口として、JAROはあまり適切な選択肢ではないだろう。エキサイトニュースのJARO紹介記事では、「活動内容は、その社名の通り、様々な広告を審査し「嘘・大げさ・まぎらわしい」広告に対して指導を行うことだそうです。あくまで行政機関ではないので強制は出来ないそうですが、このような活動のおかげで宣伝・広告の不正が防がれているのです。」としているが、これは過大評価である。

一方、行政当局に連絡するにしても、どこに連絡すればいいのか、何とも分かりづらい状況である。最近になって、消費者行政を一元化する「消費者庁」構想が唱えられている。広告の不正を防ぐ観点からも、ぜひ実現して欲しいと願う。

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2008年1月 3日 (木)

Intelの「グリーンIT」バナー広告が電力を無駄遣い

最近、グリーンITという言葉がIT業界で注目され始めている。コンピュータシステムにおける電力消費が地球温暖化防止の観点から無視できないほど増加しているとされており、それを削減する努力が求められようとしている。ただし今のところは、商売上の明確なメリットがありそうなところはともかく、そうでないところはコストの問題もあって簡単には対応できないだろう。どのような対策がどの程度必要なのか、効果はあるのかといった検討や議論も含めて、とにかく啓蒙が始まったというところである。

詳しく知りたい人は、Googleで「グリーンIT」を検索してもトップに表示される日経ITProの「グリーンIT」をおすすめ・・・と言いたいところだが、そのトップページ上部に、なんとも悩ましいIntel(インテル)のバナー広告が表示される場合がある。(もしも表示されなければ何回かリロードするとそのうち現れる)

日経ITPro「グリーンIT」画像
日経ITPro「グリーンIT」を2008年1月2日閲覧、縮小して抜粋)

この広告はFlashのアニメーションである。3年ほど前に購入したノートPCのスペック(Windows XP SP2、Intel Celeron 2.7GHz、メモリ768MBへ増設)では不足しているのだろうか、アニメーションの一部(ジグソーパズルみたいな図形が高速で動く場面)がコマ送り状態となる。ページを表示したままにしていると、同じアニメーションがずっと繰り返される。そして、ただ表示しているだけで、冷却ファンの音が表示前よりもにぎやかになる。

WindowsのタスクマネージャでCPU使用率を確認してみた。バナー広告のアニメーションの繰り返しを、バナーを全部表示した状態で3周、次に、上半分をページ外にスクロールして下半分だけ表示した状態で2周させ、その後、バナー全部を非表示状態にした。(ページスクロールや他アプリケーションなどのCPU使用率への影響も多少ある。)普段使っているFirefoxだけでなく、Internet Explorer 6でも同様にテストしてみた。

Firefox CPU使用率グラフ
(Firefox 2 で当該バナー広告を表示した際のCPU使用率(全部表示3周、下半分表示2周))

IE 6 CPU使用率グラフ
(Internet Explorer 6 で当該バナー広告を表示した際のCPU使用率(全部表示3周、下半分表示2周))

どちらのブラウザにおいても、ピーク時のCPU使用率は85%以上が表示された。おそらく瞬間的には100%に振り切れているではないかと思う。ほんの3年前のIntel Celeron搭載ノートPCを捨てて最新のIntel Core 2搭載PCを買えという、Intelからのメッセージなのかもしれない。なかなかよくできた広告だ(苦笑)。

ブラウザの比較でいうと、IEよりもFirefoxのほうがCPU使用率が高くなっている。実際、ピーク時のアニメーションのコマ送り状態もFirefoxのほうが顕著で、グラフを横軸方向に比較すると、Firefoxのほうが波形の周期が長くなっている。また、最大のピーク時以外にも、Firefoxでは、CPU使用率30%程度の2番目のピークが有意に存在する。

Firefoxについては、CPUやメモリなどの資源を(IEよりも)多く使用しているという報告が様々なサイトでなされている。Firefox側もその点は認識しているようで、たとえばFirefoxサポートページの「CPU usage」(英語)に対策方法が述べられている。同様の内容を日本語でまとめたブログ記事「Amigomr の徒然日記 : Firefox の高 CPU 使用を防ぐ方法」もある(このAmigomrさんという方はMozilla Japanで翻訳を担当なさっているらしい)。

なお、どちらのブラウザも、半分表示の状態ではCPU使用率が有意に低下し、非表示状態ではほとんど0%となった。この点について、産業技術総合研究所の高木浩光さんのブログ記事「高木浩光@自宅の日記 - 環境負荷の高いIBM広告」を見つけた。(2005年の時点ですでに当該の問題に気づいてブログ記事にしておられる。さすがだ。)この記事の事例では非表示状態でもFlashバナー広告がCPUを使用し続けているとしているが、今回の私のテスト結果は異なっていた。その記事にトラックバックしているブログ記事「こがねむしblog - 環境負荷の高いIBM広告」でも異なる結果(私と同じ結果)だったようだ。(PC環境やFlashアニメーションなどの条件によって、そのあたりの挙動は違ってくるのかもしれない。)

ということで、閲覧しないWebページは放置せずに閉じるか、ページスクロールしたり他のウィンドウやタブを前面に表示したりしてFlashアニメーション広告を隠すといったグリーンIT対策が今後ユーザに求められるかもしれない・・・って違うだろ(笑)。

そもそも、「インテルの世界最高水準の電力消費低減テクノロジー」「インテルはグリーンITをこれからも牽引します」といった調子でグリーンITを啓蒙する広告が、そんな電力浪費Flashアニメーションをむやみに使用してしまっては言行不一致である。日経BP「グリーンIT」のサイト管理者にそうした意識があれば素晴らしいが、広告収入を得る立場ではまあ無理だろう。広告主のインテルにこそ、もっと高い意識を持って欲しいところだ。Intel Core 2の性能が適切に活かされる出番は他にいくらでもあるだろう。

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2007年11月17日 (土)

地デジのB-CASカードを譲り受けて使用する行為についての一考察

地上デジタル放送等の受信機や録画機に必ず付属しているB-CASカードは、その契約上、B-CAS社が所有権を保持しているとされ、家族以外の他人に貸与または譲渡してはいけないことになっている。主な理由は、コピーコントロール等の対策が施されていない受信機(無反応機)等への転用を防ぐためである(B-CAS社は明言していないが)。他人への譲渡等は、単に契約違反というだけでなく、著作権法違反や不正競争防止法違反となる可能性もある。著作権法では、公衆に譲渡した場合等については刑事罰も設けられている(第120条の2第1項)。

では、個人的に放送を視聴、録画することを目的として、B-CASカードを譲り受け、不正な受信録画機を使用する行為についてはどうなのかということについて、AV機器評論家でMIAUの中心メンバーでもある小寺信良さんのブログでは以下のように言及されている。

おそらく販売者に対して放送事業者からなんらかの訴訟が行なわれるとは思うが、ちょっと心配なのは、購入者も著作権侵害で訴訟の対象になるのではないかという懸念である。著作権法30条2項に、私的使用のための複製の例外事項がある。

「二 技術的保護手段の回避(技術的保護手段に用いられている信号の除去又は改変(記録又は送信の方式の変換に伴う技術的な制約による除去 又は改変を除く。)を行うことにより、当該技術的保護手段によつて防止される行為を可能とし、又は当該技術的保護手段によつて抑止される行為の結果に障害 を生じないようにすることをいう。第百二十条の二第一号及び第二号において同じ。)により可能となり、又はその結果に障害が生じないようになつた複製を、 その事実を知りながら行う場合」

フリーオの購入者がこれにあたるのではないかという見方は、もしかしたらできるかもしれない。個人的には消費者が違法者として告訴されることは遺憾であるが、現時点では危ない橋を渡る者は、それ相応の覚悟がなければならない。

(小寺信良. "B-CASの問題点が早くも浮上 - コデラノブログ 3". 2007年11月8日.
下線強調は引用者による)

その条項は、30条2項ではなく、30条1項2号である。重箱の隅をつついているように思うかもしれないが、1項と2項とでは全然話が違ってくる。

著作権、出版権又は著作隣接権を侵害した者(第三十条第一項(第百二条第一項において準用する場合を含む。)に定める私的使用の目的をもつて自ら著作物若しくは実演等の複製を行つた者、第百十三条第三項の規定により著作権若しくは著作隣接権(同条第四項の規定により著作隣接権とみなされる権利を含む。第百二十条の二第三号において同じ。)を侵害する行為とみなされる行為を行つた者、第百十三条第五項の規定により著作権若しくは著作隣接権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者又は次項第三号若しくは第四号に掲げる者を除く。)は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

(著作権法第119条第1項)

つまり、私的使用の複製である限り、30条1項に違反しても、刑事罰は科せられない。よって、小寺さんの言うような事由によって利用者が告訴されることはない。これは、ダウンロード違法化案(先日の記事を参照)が刑事罰の対象外となっているのと同じ話である。

ただし民事上は、フリーオは受信と同時にHDD(ハードディスクドライブ)にコピー無制限状態で録画するようであるから、フリーオの使用中止、廃棄やB-CASカードの返却などの差止請求(著作権法第112条)には応じなければならないと思う。ただし、地上デジタル放送の受信は(NHK 受信料を除いて)無料であるし、HDDは私的録音録画補償金制度の対象外だから、私的使用の範囲である限り、著作物に関する損害賠償は請求できないと思う(この点はダウンロード違法化とは違う)。

では、録画機能のない不正受信機が今後登場したとしよう。それを用いて単に放送を視聴するだけならば、技術的保護手段の回避にも当たらず、法律違反にもならないように見える。

現行制度上、技術的な保護技術については、著作権法と不正競争防止法により立法的措置がなされている。

 著作権法では、著作権等を侵害する行為の防止又は抑止をする手段として技術的保護手段が規定されている(第2条第1項第20号)。また、私的使用を目的とする複製であっても、技術的保護手段の回避により可能となった複製を行うことは権利制限の例外とされる(第30条第1項第2号)。さらに、技術的保護手段の回避のための専用機能を有する装置・プログラムを公衆に譲渡等を行い、又は、公衆の求めに応じて業として技術的保護手段の回避を行った場合には、刑事罰が科せられる(第120条の2)。

 したがって、現行著作権法では、コンテンツの無断複製を技術的に防ぐ手段(コピーコントロール)は技術的保護手段の対象となるが、放送のスクランブルなどコンテンツを暗号化し視聴を制限する手段(アクセスコントロール)は、視聴行為そのものはコンテンツの権利者に無断で行われたとしても「著作権等を侵害する行為」ではないので、技術的保護手段の対象外であると解されている。

 一方、不正競争防止法では、「営業上用いられている技術的制限手段」の効果を妨げる機能を有する専用装置・プログラムの譲渡等を「不正競争」と規定し (第2条第1項第10号、第11号)、同行為に対する差止請求や損害賠償請求など民事的救済を定めている(第3条、第4条)。
 不正競争防止法では、アクセスコントロール、コピーコントロールのいずれも「技術的制限手段」の対象となる。なお、この「不正競争」については、民事的救済は可能であるが、刑事罰の適用はない。

(文化審議会 著作権分科会 法制問題小委員会(第6回)議事録[資料2], 2005年7月28日)

つまり、著作権法では、複製とそれを防ぐコピーコントロールについては述べているものの、単に放送等を視聴する行為は著作権侵害には当たらず、視聴を制限するアクセスコントロールは技術的「保護」手段の対象外となる(ただしHDDレコーダなどに録画してしまったらアウトだが)。また、アクセスコントロールについては、不正競争防止法第2条第1項第10号、第11号に技術的「制限」手段についての条項があるのだが、こちらはあくまで手段を譲渡等する側を(刑事罰は設けずに)規制するものであって、私的使用する側には適用されない。

ダウンロード違法化の議論において文化庁が、YouTubeなどを念頭に「視聴のみを目的とするストリーミング配信サービス(例 投稿動画視聴サービス)については、一般にダウンロードを伴わないので検討の対象外である」という見解を示した背景も、このあたりにあるのだろう。複製を伴わず、単に視聴するだけであれば、それを取り締まる法律は存在しないことになる。

ただし、冒頭でも述べたように、契約上、B-CASカードはあくまでB-CAS社が所有権を保持しているとされ、それを他人に貸与、譲渡するのは禁止されている。そのB-CAS社との契約というのは、パッケージ開封時に自動的に成立するというシュリンクラップ契約である。そして、購入者から譲り受けた人とB-CAS社との間には、直接の契約関係は存在しない。

では、誰かから譲り受けたB-CASカードは、複製を伴わない視聴のみの私的使用でも、B-CAS社から求められれば返却しなければならないのだろうか?契約問題を知っていて譲り受ければ、悪意の占有者(民法第190条)となってしまい、返さないといけない?あるいは、購入者にろくに説明していないシュリンクラップ契約はそもそも無効だと主張する?

・・・素人なりにいろいろ調べてみたが、この辺が限界である。なお、B-CASカードを譲渡するのが契約違反だとは知らなかった(善意の占有者)と言い張れば、即時取得(民法第192条)となり、譲り受けた人は返却しなくてもよいかもしれない。ただし、このブログ記事をここまで読み進んでしまった方には使えない言い訳となる(苦笑)。

そのうち、多くのユーザが機器を買い換える(中古品が広く出回る)時期が訪れる。B-CAS社は「B-CASカスタマーセンターにご連絡いただきB-CASカードの返却をお願い致します」などと言っているが、消費者の混乱が容易に予想される。そもそも、コピーコントロールを意図したこのような仕組みを無料のデジタル放送に導入しているのは日本だけである。コピーワンスや「ダビング10」の件もそうだし、後先のことを考えていない地デジの受信機や録画機はしばらく買い控えるのが賢明だと、最後に一応付言しておく。

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«「ダウンロード違法化」について文化庁にパブコメしてみた